◀ BEYOND PLAYBOOK ← トップへ戻る
#財務・資金繰り #数字・見える化 #意思決定
FINANCIAL COLUMN · 2026.06.22 · BEYOND Holdings 編集部

資金繰り表の作り方 ── どんぶり勘定から抜ける第一歩

黒字なのに、ある日とつぜん資金が足りなくなる。これは珍しい話ではありません。
日銀は政策金利を0.75%へ引き上げ、2024年度の倒産は11年ぶりに1万件を超えました。金利も物価も上がる今、「なんとなく回っている」経営はいちばん危ない
抜け出す第一歩が、資金繰り表です。難しい会計知識は要りません。本記事では、3ブロックで作れる雛形と、先読みで打ち手を変えた想定事例を、BEYONDの実務目線で解説します。

1. 黒字でもお金は止まる ── 2026年がそういう年

利益が出ていることと、手元に現金があることは別物です。売上が立っても入金は1〜2ヶ月後、一方で仕入れや給与・税金の支払いは先にやってくる。この「お金の出入りのタイミングのズレ」が、黒字でも資金ショートを起こす正体です。

そして今、そのズレが効きやすい環境になっています。日本銀行は2025年1月に政策金利を0.5%へ、12月には0.75%へと引き上げ、約30年ぶりの水準に達しました。借入金利が上がれば返済負担は重くなり、原材料費や人件費の高止まりで支払いは膨らむ。実際、2024年度の倒産件数は11年ぶりに1万件を超え、前年度比で約12%増えました。「利益は出ているのに、資金が回らない」会社が増えているのです。

だからこそ、未来のお金の動きを先に見る道具が要ります。それが資金繰り表です。

2. 想定事例: 「なんとなく回っている」社長に起きたこと

※ 以下はBEYONDが伴走するときの動き方を、想定事例としてお見せするものです。

SIMULATION

建設関連業 / 年商1.5億 / 黒字決算が続いていた

創業15年、決算は毎期しっかり黒字。社長は通帳残高をときどき眺める程度で、資金繰り表は作ったことがない。「残高があるうちは大丈夫」という感覚で経営してきました。

きっかけ: 大型案件を受注。材料の先行発注と外注費の支払いが重なり、入金は3ヶ月後。同じ月に賞与と納税も来る。気づいたときには翌々月の残高が底をつく計算だった。
問題の本質: 案件自体は黒字。だが出るタイミングと入るタイミングがズレていた。残高だけ見ていたため、社長は「いつ・いくら足りなくなるか」を直前まで把握できなかった。
慌てて銀行へ: 資金が尽きる直前に駆け込んだが、計画も数字の根拠も無く、審査は難航。金利が上がった局面では、準備不足の急な相談ほど条件が悪くなる

大事なのは、案件が悪かったことではありません。社長が「先のお金」を見ていなかったこと。先に見えていれば、慌てずに済んだのです。

3. 資金繰り表は、たった3ブロックでいい

資金繰り表と聞くと難しそうですが、構造はとてもシンプルです。月ごと(または週ごと)に、次の3つを並べるだけです。

資金繰り表の骨格
前月の繰越 + 入金 − 出金 = 翌月へ繰り越す残高
これを数ヶ月先まで横に並べると、いつ残高が薄くなるかが一目で見える

必要なのは、難しい会計の知識ではなく「いつ・いくら入って、いつ・いくら出るか」の見積もりです。エクセル1枚、最初はざっくりで構いません。作り方の手順はこうです。

資金繰り表 作り方4ステップ

ポイントは「税金・賞与・借入返済」など、年に数回しか出ない大きな支払いを必ず先に置くこと。資金ショートは、たいていこの"忘れがちな大型出金"の月に起きます。まずは3ヶ月先まで。慣れたら週次で13週先(約3ヶ月)を見ると、精度が一気に上がります。

4. 先を読めた社長は、こう動いた

先ほどの建設関連業の社長が、もし資金繰り表を持っていたら──。

2ヶ月前に気づける:受注を入力した時点で「3ヶ月後の月に残高がマイナスになる」と分かる。慌てる前に手を打てる。
打ち手が増える:入金前倒しの交渉、支払いサイトの調整、賞与時期の見直し、そして余裕をもった早めの銀行相談。選択肢は、時間があるほど多い。
銀行の評価が変わる:資金繰り表と返済計画を持参すれば、「数字を分かっている社長」として信用される。金利上昇局面でも、条件交渉の土俵に立てる。

資金繰り表の本当の価値は、表そのものではなく「先に気づけること」にあります。問題が起きてからではなく、起きる前に動ける。これが、どんぶり勘定との決定的な差です。

5. BEYONDが伴走するときの「数字の作り方」

BEYONDは銀行交渉のプロでも、評論家でもありません。中小企業を自分たちで複数経営してきた当事者として、社長が毎週・毎月、自分の手で資金繰りを読める状態を一緒に作るのがFLOWのサービスです。

資金繰り表を持つ──たったこれだけで、資金ショートは「突然」ではなく「予測できるもの」に変わります。後手から、先手へ。

まずは、自社のお金の流れを見える化しませんか?

1分でできる財務体力チェック、もしくは無料ヒアリングから。

※背景データは、政策金利・利上げ=日本銀行/日本経済新聞報道、2024年度の倒産件数(11年ぶり1万件超・前年度比約12%増)=信用調査会社の集計報道を参照しました。本記事の事例は、複数の現場で起こりやすい状況をもとに構成した想定事例です。